たかが烏合の衆、されども星の屑は夜を照らす
12月8日、推しが卒業する。
横浜アリーナという大きな舞台を最後に、表舞台からその身を退く。
卒業報告から1年半。長くて短くて、濃密だった。
思い返せば特別な夜ばっかりくれる人だった。
涙もたくさん流したけど、それ以上にしあわせと笑顔をくれた。
裏表のない、やわらかくまっすぐな言葉選びにたくさん救われた。
努力と研鑽に満ちた踊りと歌声に何度も胸を打たれた。
うつくしくぴんと伸びた背筋と、客席を見渡すあたたかい笑顔に励まされてきた。
誰よりも楽しもうと意気込んで、ステージに躍り出るあなたが大好きだった。
寝癖だらけでコーヒーを淹れる穏やかな朝も、ご飯を作りながら駄弁る夜も、優しい声で相談に乗ってくれる深夜も、気づけば隣にいる友人みたいに一緒に過ごしてくれた。
あなたとの時間はいつも魔法みたいだった。
ライブを観る時は日常を忘れて、非日常を楽しんでほしいと推しは何度も言っていた。
でもいつの間にか、あなたがすっかり日常に溶け込んでいた。
私が生きる世界には、あまりにもあなたを想起させるもので満ちている。
卒業公演が、明日が終わったら。
きっとそれらはしばらくの間、悲しさや寂しさをつれてくるだろうけれど、
少しずつ時間が経っていけばきっと、笑顔にさせてくれる大切なものになると思う。
私は推しが大好きだった。心底惚れていた。尊敬して、憧れていた。
ずっと背中を追いかけていると思ったら、いつまにか力強く背中を押してくれていた。
すれ違うこともないままに終わる人間の方が多い世界の中で、
こんな風に想える人に出会えてよかった。
私は絶対、あなたを忘れない。
どうか、幸せで。あなたのいく道がたくさんの灯りと笑顔で満ちていますように。
そして、私自身もそうでありますように。
あとは最後の夜を楽しむだけ!
あなたがあのステージに置いていくものを、全部抱きしめて帰るね。
最高の夜にしよう!